たんかのしけい
短歌の詩形

冒頭文

比較的新しい地質時代に日本とアジア大陸とは陸続きになっていて、象や犀(さい)の先祖が大陸からの徒歩旅行の果に、東端の日本の土地に到着し、現在の吾々の住まっているここらあたりをうろついていたということは地質学者の研究によって明らかになった事実である。しかしその頃既に人間の先祖が象と一緒に歩いていたかどうかはよく分らない。 それはとにかく、日本が大陸から千切れて島国になっても、船というものを

文字遣い

新字新仮名

初出

「勁草」1933(昭和8)年1月

底本

  • 寺田寅彦全集 第十二巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年11月21日