ちゃばなし 05 たいしょうはち(せんきゅうひゃくじゅうきゅう)ねん |
茶話 05 大正八(一九一九)年 |
冒頭文
医者の友達 1・5(夕) 寺内内閣が壊れて、その跡へ政友会内閣が出来かゝるやうな運びになつて、総裁原敬氏の白髪頭(はくはつとう)のなかでは、内閣員の顔触(かほぶれ)が幾度(いくたび)か見え隠れしてゐた頃、今の文相中橋徳五郎氏の許(ところ)へ、神戸にゐるお医者さんの桂田富士郎(ふじを)氏から一本の電報が飛込んで来た。 中橋氏は何気なく封を切つて見た。電報には、 「大臣
文字遣い
新字旧仮名
初出
「大阪毎日新聞 夕刊」1919(大正8)年1月5日~8月31日
底本
- 完本 茶話 下
- 冨山房百科文庫、冨山房
- 1984(昭和59)年2月28日