ちゃばなし 06 たいしょうじゅういち(せんきゅうひゃくにじゅうに)ねん |
茶話 06 大正十一(一九二二)年 |
冒頭文
頤の外れたのを治す法 詩人室生犀星氏のお父さんのこと 4・23 サンデー毎日 詩人室生犀星氏のお父さんは、医者であつた。医者であることすら大変なのに、おまけに藪医者であつた。藪医者といふと、蝸牛(かたつむり)や、蟷螂(かまきり)と同じやうに草ぶかい片田舎にばかり住んでゐるやうに思ふ人があるかも知れないが、実際は都にも多いやうだ。とりわけ博士などと肩書のついた輩(てあ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「サンデー毎日」1922(大正11)年4月23日~8月27日
底本
- 完本 茶話 下
- 冨山房百科文庫、冨山房
- 1984(昭和59)年2月28日