ちゃばなし 07 たいしょうじゅうよ(せんきゅうひゃくにじゅうご)ねん |
茶話 07 大正十四(一九二五)年 |
冒頭文
鶏小舎 4・15 東京日日(夕) 大阪のある大きな会社で、重役の一人が労働問題の参考資料にと思つて、その会社の使用人に言ひつけて、めい〳〵の家の生活(くらし)向きを正直に書き出させたことがあつた。いゝ機会だ、ことによると、これが増給のきつかけとなるかもしれないと、職工達はてんでに自分の生活(くらし)向きを正直に書き出した。正直にうちあければ、うちあけるほど惨めなのは彼(か
文字遣い
新字旧仮名
初出
「東京日日新聞」1925(大正14)年4月15日~7月2日夕刊<br> 「サンデー毎日」1925(大正14)年7月26日<br> 「文芸春秋」1925(大正14)年11月号
底本
- 完本 茶話 下
- 冨山房百科文庫、冨山房
- 1984(昭和59)年2月28日