ちゃばなし 08 たいしょうじゅうご(せんきゅうひゃくにじゅうろく)ねん |
茶話 08 大正十五(一九二六)年 |
冒頭文
堪忍といふ事 9・1 苦楽 むかし、ある物識(ものし)りが、明盲(あきめくら)の男を戒めて、すべて広い世間の交際(つきあひ)は、自分の一量見をがむしやらに立てようとしてはいけない、相身互ひの世の中だから、何事にも、 「堪忍」 の二字を忘れてはならぬと話したことがありました。すると、明盲の男は不思議さうに頭をかしげて、 「お言葉ですが、堪忍の二字とおつしやるのは何
文字遣い
新字旧仮名
初出
「苦楽」1926(大正15)年9月1日<br> 「文芸春秋」1926(大正15)年10月号
底本
- 完本 茶話 下
- 冨山房百科文庫、冨山房
- 1984(昭和59)年2月28日