しょうせつかのはいく はいじんとしてのあくたがわりゅうのすけとむろうさいせい |
小説家の俳句 俳人としての芥川竜之介と室生犀星 |
冒頭文
芥川龍之介氏とは、生前よく俳句の話をし、時には意見の相違から、激論に及んだことさへもある。それに氏には「余が俳句観」と題するエツセイもある程なので、さだめし作品が多量にあることだと思ひ、いつかまとめて読んだ上、俳人芥川龍之介論を書かうと楽しみにしてゐた。然るに今度全集をよみ、意外にその寡作なのに驚いた。全集に網羅されてる俳句は、日記旅行記等に挿入されているものを合計して、僅かにやつと八十句位しかな
文字遣い
新字旧仮名
初出
「俳句研究」1938(昭和13)年3月号
底本
- 日本の名随筆 別巻25 俳句
- 作品社
- 1993(平成5年)3月25日