がくもんのどくりつ
学問の独立

冒頭文

『学問の独立』緒言 近年、我が日本において、都鄙(とひ)上下の別なく、学問の流行すること、古来、未だその比を見ず。実に文運降盛の秋(とき)と称すべし。然るに、時運の然らしむるところ、人民、字を知るとともに大いに政治の思想を喚起して、世事(せいじ)ようやく繁多なるに際し、政治家の一挙一動のために、併せて天下の学問を左右進退せんとするの勢なきに非ず。実に国のために歎ずるに堪えずとて、福沢先生一篇

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」1883(明治16)年1月20日~2月5日

底本

  • 福沢諭吉教育論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1991(平成3)年3月18日