けいせいのがく、またこうきゅうすべし |
経世の学、また講究すべし |
冒頭文
ある人いわく、慶応義塾の学則を一見し、その学風を伝聞しても、初学の輩(はい)はもっぱら物理学を教うるとのこと、我が輩のもっとも賛誉するところなれども、学生の年ようやく長じて、その上級に達する者へは、哲学・法学の大意、または政治・経済の書をも研究せしむるという。 そもそも義塾の生徒、その年長ずるというも、二十歳前後にして、二十五歳以上の者は稀なるべし。概してこれを弱冠(じゃっかん)の年齢と
文字遣い
新字新仮名
初出
「時事新報」1882(明治15)年3月23日
底本
- 福沢諭吉教育論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1991(平成3)年3月18日