ぶつりがくのようよう |
物理学の要用 |
冒頭文
物理学とは、天然の原則にもとづき、物の性質を明らかにし、その働を察し、これを採ってもって人事の用に供するの学にして、おのずから他の学問に異なるところのものあり。たとえば今、経済学といい、商売学といい、等しく学の名あれども、今日の有様にては、経済商売の如き、未だまったく天然の原則によるものに非ず。いかんとなれば、経済商売に、自由の主義あり、保護の主義あり。そのもとづくところ、同じからずして、英国の学
文字遣い
新字新仮名
初出
「時事新報」1882(明治15)年3月22日
底本
- 福沢諭吉教育論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1991(平成3)年3月18日