なかつりゅうべつのしょ |
中津留別の書 |
冒頭文
中津留別(なかつりゅうべつ)の書 人は万物の霊なりとは、ただ耳目鼻口手足をそなえ言語・眠食するをいうにあらず。その実は、天道にしたがって徳を脩め、人の人たる知識・聞見を博くし、物に接し人に交わり、我が一身の独立をはかり、我が一家の活計を立ててこそ、はじめて万物の霊というべきなり。 古来、支那・日本人のあまり心付かざることなれども、人間の天性に自主・自由という道あり。ひと口に自由とい
文字遣い
新字新仮名
初出
「新聞雑誌 第37号付録」1872(明治5)年3月
底本
- 福沢諭吉教育論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1991(平成3)年3月18日