ぞくらいいんきろく |
続癩院記録 |
冒頭文
十個の重病室があり、各室五名づつの附添夫が重病人の世話をしてゐることはさきに記したが、これらの附添夫も勿論病人であり、何時どのやうな病勢の変化があるか解らない。そこでこれらの附添夫——附添本官と呼ぶ——が神経痛をおこしたり肋膜炎にやられたりすると、健康舎から臨時附添に出なければならない。これは二三ある義務作業のうちの一つであるが、この場合も作業賃は十銭が支給される。隔離病室、男女不自由舎等これと同
文字遣い
新字旧仮名
初出
「改造」1936(昭和11)年12月
底本
- 定本 北條民雄全集 下巻
- 東京創元社
- 1980(昭和55)年12月20日