じょけいしのはっせい |
叙景詩の発生 |
冒頭文
一 私の此短い論文は、日本人の自然美観の発生から、ある固定を示す時期までを、とり扱ふのであるから、自然同行の諸前輩の文章の序説とも、概論ともなる順序である。其等大方の中には、全く私と考へ方を異にしてゐられる向きもあることは、書かない前から知れて居る。其だけ、此話は私に即して居る。私一人でまだ他人の異見を聴いてもない考へなのである。が、是非私の考へ方の様に、文学意識なり、民族精神の展開の順序なりを
文字遣い
新字旧仮名
初出
「太陽 第三二巻第八号」1926(大正15)年6月
底本
- 折口信夫全集 1
- 中央公論社
- 1995(平成7)年2月10日