がくもんのすすめ
学問のすすめ

冒頭文

初編 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤(きせん)上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資(と)り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、お

文字遣い

新字新仮名

初出

「学問のすすめ」1872(明治5)年2月

底本

  • 日本の名著 33 福沢諭吉
  • 中公バックス、中央公論社
  • 1984(昭和59)年7月20日