さいていのこてん ――しんかなづかいとかんじせいげん―― |
最低の古典 ――新かなづかひと漢字制限―― |
冒頭文
現代かなづかひがきまつたのはともかくめでたいことと思ふ。ただ、それについて大きな用意があるのかといふことだけをききたい。歴史かなづかひといふものは、われわれ国民、年寄りから低いところは国民学校の子供に至るまで、これを以てほこりとしてゐる最低の古典なのだから、これに代るべきものが用意せられてゐるか、或は何か与へなければならぬといふことを考へたかどうか問ひたい。 新かなづかひが出来たから、それでおし
文字遣い
新字旧仮名
初出
「毎日新聞」1946(昭和21)年11月18日
底本
- 折口信夫全集 12
- 中央公論社
- 1996(平成8)年3月25日