ランボオししゅう≪がっこうじだいのし≫ |
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫ |
冒頭文
1 Ver erat 春であつた、オルビリウスは羅馬((ローマ))で病ひに苦しんでゐた 彼は身動きも出来なかつた、無情な教師、彼の剣術は中止されてゐた その打合ひの音(ね)は、我が耳を聾((ろう))さなかつた 木刀は、打続く痛みを以つて我が四肢をいためることをやめてゐた。 機(をり)もよし、私は和やかな田園に赴(はし)つた 全てを忘(ばう)じ……転地と懸念のなさとで 柔らかい欣びは研
文字遣い
新字旧仮名
初出
「アルチユル・ランボオ・詩集 学校時代の詩」三笠書房、1933(昭和8)年12月10日
底本
- 中原中也全訳詩集
- 講談社文芸文庫、講談社
- 1990(平成2)年 9月10日