ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学

冒頭文

緒論 日本で数学の発達したのは徳川時代及びそれ以前後のことであって、上古以来戦国時代の終わりまでは数学に関して幾らも知られたことがなく、また明治大正時代の数学は西洋の学問を宗として起こったもので、未だあまり特色も見えないし、未だこれを歴史的に観察して充分な意見を発表し得るまでに研究が進んでおらぬから、しばらく徳川時代の数学、いわゆる和算なるものを主として論ずることとする。もし数学者の立場

文字遣い

新字新仮名

初出

「哲学雑誌 第三十七巻第四二一―四二六号」1922(大正11)年3月~8月

底本

  • 文化史上より見たる日本の数学
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1999(平成11)年 4月16日