さつじんめいろ 10 (れんさくたんていしょうせつだいじっかい)
殺人迷路 10 (連作探偵小説第十回)

冒頭文

親友? 仇敵? 疑問の洋装の女が、三映キネマの如月真弓! 寺尾に示されたスチールで、それを発見した津村は唸った。 雑誌記者津村がこの発見をした時と殆ど同時に、新聞記者村井は二木検事に、洋装の女が投身自殺を遂げた浦部俊子の妹らしいと云う推測を告げていた事を、読者諸君は承知せられている筈だ。 以上の二つの事実によって、津村と村井がバッタリと、如月真弓のアパートの入口

文字遣い

新字新仮名

初出

「探偵クラブ」1933(昭和8)年4月号

底本

  • 「探偵クラブ」傑作選 幻の探偵雑誌8
  • 光文社文庫、光文社
  • 2001(平成13)年12月20日