げんかぶんだんとたんていしょうせつ |
現下文壇と探偵小説 |
冒頭文
探偵小説の芸術的価値 探偵小説は、英米では、ポー、スティーブンソンにはじまり、コナン・ドイルによって、近代小説の一つのカテゴリーとして、その存在を確立した。 仏国では、ガボリオ、ボアコベらが十九世紀中葉に、既に純粋な探偵小説作家として一家をなし、ガストン・ルルー、モーリス・ルブランの現在に及んでいる。 その他、探偵小説の語義を拡大して、犯罪文学という風に解するならば、
文字遣い
新字新仮名
初出
「文学時代 第一巻第三号」1929(昭和4)年7月号
底本
- 平林初之輔探偵小説選Ⅱ〔論創ミステリ叢書2〕
- 論創社
- 2003(平成15)年11月10日