せいあじん
青蛙神

冒頭文

第一幕の登場人物 李中行 その妻 柳 その忰 中二 その娘 阿香 高田圭吉 旅の男 第一幕 時は現代。陰暦八月十五日のゆうぐれ。 満州、大連市外の村はずれにある李中行の家。すべて農家の作りにて、家内の大部分は土間。正面には出入りの扉ありて、下のかたの壁には簑笠などをかけ、その下には鋤(すき)またや鍬(くわ)などの農具を置いてあり。その傍らには大

文字遣い

新字新仮名

初出

「舞台」1931(昭和6)年7月~8月号

底本

  • 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2002(平成14)年3月29日