ポウのほんしつ |
ポウの本質 |
冒頭文
ポーは、アメリカの詩人にして最もアメリカ人らしくない詩人だと考えられている。だが、その逆に、アメリカならばこそポーを生み得たのだと言うこともできる。 ボードレールはポーについて言っている。「彼はアメリカの雰囲気にむせて、『ユウレカ』の冒頭で次のように書いた——私はこの書物を、夢を唯一の実在として信ずる人たちにささげる——だから彼は一つのすばらしい反抗だったのだ。彼は反抗だった。そして、彼
文字遣い
新字新仮名
初出
「世界探偵小説全集第二巻 エドガア・ポウ集」博文館、1929(昭和4)年12月
底本
- 平林初之輔探偵小説選Ⅱ〔論創ミステリ叢書2〕
- 論創社
- 2003(平成15)年11月10日