さんまいつづき
三枚続

冒頭文

表紙の画(え)の撫子(なでしこ)に取添えたる清書(きよがき)草紙、まだ手習児(てならいこ)の作なりとて拙(つたな)きをすてたまわずこのぬしとある処に、御名(おんな)を記させたまえとこそ。  明治三十五年壬寅正月 鏡花 一 「どうも相済みません、昨日(きのう)もおいで下さいましたそうで毎度恐入ります。」 と慇懃(いんぎん)にいいながら、ばりかんを持って椅

文字遣い

新字新仮名

初出

「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日

底本

  • 泉鏡花集成9
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年6月24日