たましいのきょういく
たましいの教育

冒頭文

思慮というものの全然芽を出していない幼児には、ただ外形ばかりが強い問題である。 幼児ほど形(かたち)の上から物を鵜呑(うの)みにするものはない。そうしてその鵜呑みにしたことを、よいこととして守ってゆくものはない。 さらに幼児ほど好奇心の強いものはない。十分かれらの好奇心に投じてゆくならば、そのまちがっていることも、必ずなおしてしまうことができる。 それゆえ幼児には、外

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育三十年」1932(昭和7)年

底本

  • 羽仁もと子選集 おさなごを発見せよ
  • 婦人之友社
  • 1965(昭和40)年11月1日、1995(平成7)年10月1日新刷