ほうきょうにんのし
奉教人の死

冒頭文

たとひ三百歳の齢(よはひ)を保ち、楽しみ身に余ると云ふとも、未来永々の果しなき楽しみに比ぶれば、夢幻(ゆめまぼろし)の如し。 —慶長訳 Guia do Pecador— 善の道に立ち入りたらん人は、御教(みをしへ)にこもる不可思議の甘味を覚ゆべし。 —慶長訳 Imitatione Christi— 一 去(さ)んぬる頃、日本長崎の「さんた・るちや」と申

文字遣い

新字旧仮名

初出

「三田文学」1918(大正7)年9月

底本

  • 現代日本文学大系 43 芥川龍之介集
  • 筑摩書房
  • 1968(昭和43)年8月25日