えどのがんぐ |
江戸の玩具 |
冒頭文
浅草の飛んだり跳(はね)たり 右は年代を寛政といふ人と文政頃といふ人とあり、原品は東海道亀山(かめやま)お化(ばけ)とて張子にて飛んだりと同様の製作にて、江戸黒船町辺にて鬻(ひさ)ぎをりしを後、助六(すけろく)に作り雷門前地内にて往来に蓆(むしろ)を敷きほんの手すさびに「これは雷門の定見世花川戸(はなかわど)の助六飛んだりはねたり」と団十郎の声色(こわいろ)を真似て売りをりし由にて、傘の飛ぶ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「鳩笛 第三号」1925(大正14)年5月
底本
- 梵雲庵雑話
- 岩波文庫、岩波書店
- 1999(平成11)年8月18日