しょうらいのにほん 01 さんぱんじょ
将来の日本 01 三版序

冒頭文

余が友徳富猪一郎(とくとみいいちろう)君さきに『将来の日本』と称する一冊子を編著し、これを余に贈り、あわせて余の一言を求めらる。余不文といえども君と旧交のあるあり。あにあえて君の好意を空しゅうすべけんや。余これを読み、その第一回より第十六回に至る、毎回あたかも新佳境に入るの感なきあたわず。けだしその論や卓々、その文や磊々(らいらい)、余をしてしばしば巻をおおい覚えず快哉(かいさい)と呼ばしめたりき

文字遣い

新字新仮名

初出

「将来の日本」経済雑誌社、1887(明治20)年第3版

底本

  • 日本の名著 40
  • 中央公論社
  • 1971(昭和46)年8月10日