くぐつめいぎこう こだいしゃかいそしきのけんきゅう
くぐつ名義考 古代社会組織の研究

冒頭文

一 緒言 自分は昨年一月の本誌神祇祭祀号において少彦名命の研究を発表した中に、説たまたま谷蟆(たにくぐ)の事から、引いてクグツ(傀儡)の名義にまで一寸及んだ事であった。それには、古事記に少彦名命の事を知っておるものが久延毘古(くえびこ)であり、その事を大国主神に申し上げたものが多邇具久(たにぐく)であったという、その谷蟆とは傀儡子(くぐつ)の事ではなかろうかというのであった。すなわちクグ

文字遣い

新字新仮名

初出

「民族と歴史 第八巻第四~五号」1922(大正11)年10~11月

底本

  • 先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
  • 河出書房新社
  • 2008(平成20)年1月30日