どうきょうについて |
道教に就いて |
冒頭文
道教は支那に於て儒教と佛教と共に鼎立の勢を爲してゐる一大教系であり、其分派も少からず、又其教義も少しづゝの異を有して居り、草率に其の如何なるものであるかを説き、且つ之を評論することは、もとより不可能の事に屬する。儒教は歴史的にも教義的にも、むしろ平明なものであり、且又世間教に屬するもので、假令其の淵源たる時代即ち殷周の頃には數〻上帝を稱し、神鬼に事ふることを重んじたことを認めしむるとは云へ、他の所
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「岩波講座 哲学」岩波書店、1933(昭和8)年5月
底本
- 露伴全集 第十八卷
- 岩波書店
- 1949(昭和24)年10月10日