どくりんりきょうかしょ |
読倫理教科書 |
冒頭文
過般、榎本文部大臣が地方官に向って徳育の事を語り、大臣は儒教主義をとる者にして、いずれ近日儒教の要を取捨(しゅしゃ)して、学生のために一書を編纂せしむべしとのことなり。然るに、徳教書編纂の事は、先年も文部省に発起して、すでに故森大臣の時に(明治二十年)倫理教科書を草し、その草案を福沢先生に示して批評を乞いしに、その節、先生より大臣に贈りたる書翰ならびに評論一編あり。久しく世人の知らざるところなりし
文字遣い
新字新仮名
初出
「時事新報」1890(明治23)年3月18日
底本
- 福沢諭吉教育論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1991(平成3)年3月18日