しょうがくきょういくのこと |
小学教育の事 |
冒頭文
小学教育の事 一 教育とは人を教え育つるという義にして、人の子は、生れながら物事を知る者に非ず。先きにこの世に生れて身に覚えある者が、その覚えたることを二代目の者に伝え、二代目は三代目に授けて、人間の世界の有様を次第次第に良き方に進めんとする趣意なれば、およそ人の子たる者は誰れ彼れの差別なく、必ず教育の門に入らざるをえず。いかなる才子・達人にても、人に学ばずして自から得たるためしあることを聞
文字遣い
新字新仮名
初出
「福澤文集 二編」1879(明治12)年8月
底本
- 福沢諭吉教育論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1991(平成3)年3月18日