ふゆのちょう
冬のちょう

冒頭文

すがすがしい天気(てんき)で、青々(あおあお)と大空(おおぞら)は晴(は)れていましたが、その奥底(おくそこ)に、光(ひか)った冷(つめ)たい目(め)がじっと地上(ちじょう)をのぞいているような日(ひ)でした。 美(うつく)しい女(め)ちょうは、自分(じぶん)の卵(たまご)をどこに産(う)んだらいいかと惑(まど)っているふうでありました。なるたけ暖(あたた)かな、安全(あんぜん)な場所(

文字遣い

新字新仮名

初出

「民政」1934(昭和9)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 10
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年8月10日