こうこしょうげん
好古小言

冒頭文

古物ヲ玩ブコトハ、古キ世ヨリ今ニ至ルマデ、連綿トシテ絶タルコト無シ。人々ニシテ其ノ好ム所ハ異ナレドモ、書画鼎鐺偶像貨幣ノ類、其ノ質ノ金石木磁絹紙タルヲ問ハズ、古物ホド面白キモノハ有ラジ。サレド之ヲ愛玩スルニ就テ、論ズ可キコト亦鮮ナカラズ。今余ガ思フマヽヲ書キ綴リテ、世ノ好古家ニ質サントス。定メテ其ノ心ニ逆カフコトモ有ランナレド、ソハ余ガ一家言トシテ宥シ給ヒネ。 数千百年ヲ歴タル物ハ、多ク朽腐シ或

文字遣い

新字旧仮名

初出

「花月新誌 第廿九號」花月社、1877(明治10)年11月18日、(第二号)「花月新誌 第三十號」花月社、1877(明治10)年11月29日

底本

  • 雑誌叢書6 花月新誌 第二巻
  • ゆまに書房
  • 1984(昭和59)年11月21日