どようぼしのき |
土用干ノ記 |
冒頭文
阮氏ノ褌ヲ曝スハ少シク激ニ失シテ長者ノ風無シ。郝生ノ腹ヲ曝スハ甚ダ傲ニ失シテ君子ノ笑ヲ免レズ。三伏ニハ唯ダ世俗ニ随ヒ、曝ス可キ物ヲ曝スゾ善ケレ。強ヒテ奇ヲ好ムハ何ノ用ニカ立ツ可キヤ。サレド万巻ノ書貯ヘタランニハ之ヲ曝ス日数モ重ナリテ、樟脳買フ銭モ夥シケレド、余ハ戊辰ノ変ニ愛ヲ割キテ尽ク売却シタレバ、今ハ唯ダ祖考ノ親写セルモノト校訂セシモノ而已ゾ存セリ。其他ハ皆常ニ座右ニ在ル書ナレバ曝スニモ及バジ。
文字遣い
新字旧仮名
初出
「花月新誌 第十六號」花月社、1877(明治10)年7月12日、(第二)「花月新誌 第十七號」花月社、1877(明治10)年7月20日
底本
- 雑誌叢書6 花月新誌 第一巻
- ゆまに書房
- 1984(昭和59)年11月21日