くろんぼかい |
黒んぼ会 |
冒頭文
男の子たちはみんな、体中まつ黒にしたいと思ひました。色のなまつ白い男の子なんかは、この漁師の村ではバカにされました。それに夏休みがすんで九月になると、村の小学校では「黒んぼ会」があるのでした。 「今年は、誰(だれ)が一等賞になるだらう?」 黒んぼ会は、学校中で一番日に焼けた男の子だけ三人選んで、黒いふんどしの賞品をくれるのでしたが、それには会のマークが入つてゐるので、みんな欲しかつたの
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文学案内特報 第19号」1935(昭和10)年
底本
- 日本児童文学大系 三〇巻
- ほるぷ出版
- 1978(昭和53)年11月30日