きんぎょうり |
金魚売り |
冒頭文
たくさんな金魚(きんぎょ)の子(こ)が、おけの中(なか)で、あふ、あふとして泳(およ)いでいました。体(からだ)じゅうがすっかり赤(あか)いのや、白(しろ)と赤(あか)のまだらのや、頭(あたま)のさきが、ちょっと黒(くろ)いのや、いろいろあったのです。それを前(まえ)と後(うし)ろに二つのおけの中(なか)にいれて、肩(かた)にかついで、おじいさんは、春(はる)のさびしい道(みち)を歩(ある)いてい
文字遣い
新字新仮名
初出
「赤い鳥」1927(昭和2)年6月
底本
- 定本小川未明童話全集 5
- 講談社
- 1977(昭和52)年3月10日