イーサルがわ
イーサル川

冒頭文

イーサル川は南の方のアルプス山中から出て、北へ向つて流れてゐる。分水嶺は既に独逸(ドイツ)の国境を越して墺太利(オーストリー)の領分になつてゐるので、さう手易(たやす)く其処(そこ)を極めることは出来ないやうである。 川の沿岸には、Tölz其処(テルツ), München其処(ミユンヘン), Landshut(ランヅフート), Landau(ランダウ) などの町があり、ミユンヘンはそのう

文字遣い

新字旧仮名

初出

「改造」1929(昭和4)年10月

底本

  • 斎藤茂吉選集 第九巻 随筆
  • 岩波書店
  • 1981(昭和56)2月27日