じんだいしのけんきゅうほう |
神代史の研究法 |
冒頭文
一 今日に伝わっている我が国の最古の史籍たる『古事記』と『日本書紀』との巻頭にはいわゆる神代の巻という部分がある。『古事記』は和銅五年(712 A.D.)『日本書紀』は養老四年(720 A.D.)に出来たもので、何(いず)れも八世紀に入ってからの編纂であるが、神代の巻などは、もっと古くから伝えられていた材料によったものである。ここにその詳しいことを説いている遑(いとま)はないが、その材料
文字遣い
新字新仮名
初出
「歴史と地理 四ノ三」1919(大正8)年9月
底本
- 津田左右吉歴史論集
- 岩波書店
- 2006(平成18)年8月17日