がくもんあるかえるのはなし |
学問ある蛙の話 |
冒頭文
桃太郎の昔話をアイヌ語研究の先輩連に語らせるときっと面白いことになるだろうと思う。昔々、爺さんと婆さんがあった、爺さんがある日川へ洗濯に行った(註1あいにく婆さんはその日病気で動けなかったのである)すると川の下の方から大きな桃が流れて来た(註2これは誤植ではない。丁度その時満潮で川の水が逆流していたのである)まず、ざっとこんなぐあいになるかと思う。話がともすれば理屈に合わなくなる。するとそのつじつ
文字遣い
新字新仮名
初出
「北海道大学新聞 332号」1949(昭和24)年7月12日
底本
- 和人は舟を食う
- 北海道出版企画センター
- 2000(平成12)年6月9日