きんぞくじょこうのかのじょ |
金属女工の彼女 |
冒頭文
小がらで元気がみちみち 眼と口と顔の据えられた位置が やや水平の彼方の空に向い 希望の、言葉ではなし、文章ではなし、絵でもなし ただ五尺たらずのからだに みちみてる熱意ある要求の表情。 私はそこで 彼女の出ている工場で、 一日 一杯、 牛馬のような搾取労働が、 ヘコたれさせた姿を見ていない 彼女が江東労働者の娘で、 工場労働の中にすべてのよろこびやかなしみの生活にひたり す
文字遣い
新字新仮名
初出
「婦人戦旗」1931(昭和6)年8月号
底本
- 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
- 新日本出版社
- 1987(昭和62)年6月30日