『がんぐ』あとがき |
『玩具』あとがき |
冒頭文
所收——「玩具」「魚服記」「地球圖」「猿ヶ島」「めくら草紙」「皮膚と心」「きりぎりす」「畜犬談」 「玩具」から「めくら草紙」に到る五篇は、私の第一創作集「晩年」から選び出した作品である。サンボリズムのにほひが強いやうに思はれる。卷頭の「玩具」などは、散文詩とでもいふべきもののやうに思はれる。「めくら草紙」は、書いてゐる時には實に悲しい氣持であつたが、いま讀むと、ユウモラスな箇所が少くない。悲
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「玩具」あづみ書房、1946(昭和21)年8月10日
底本
- 太宰治全集11
- 筑摩書房
- 1999(平成11)年3月25日