『じょせい』あとがき
『女性』あとがき

冒頭文

所收——「十二月八日」「女生徒」「葉櫻と魔笛」「きりぎりす」「燈籠」「誰も知らぬ」「皮膚と心」「恥」「待つ」 昭和十二年頃から、時々、女の獨り言の形式で小説を書いてみて、もう十篇くらゐ發表した。讀み返してみると、あまい所や、ひどく不手際な所などあつて、作者は赤面するばかりである。けれども、この形式の小説を特に好きな人も多いと聞いたから、このたび、この女の獨白形式の小説ばかりを集めて一本に

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「女性」博文館、1942(昭和17)年6月30日

底本

  • 太宰治全集11
  • 筑摩書房
  • 1999(平成11)年3月25日