せんだらこう にちれんしょうにんはエタのこなりということ |
旃陀羅考 日蓮聖人はエタの子なりという事 |
冒頭文
1 緒言 日蓮宗の宗祖日蓮聖人はエタの子なりという説がある。いわゆる特殊部落の人々の書いたものや、或いはその親しく語るところによると、某大臣は我が党の士である、某将官も我が党の士である、某々名士もまた我が党の士であるなどと、しきりに我が党の成功者を列挙するものの中に、歴史的の偉人としては、いつも日蓮聖人が数えられて、それをいわゆる部落民の誇りとしているのである。 日蓮を以てエタ
文字遣い
新字新仮名
初出
「民族と歴史 8-5、6号」1922(大正11)年5、6月
底本
- 賤民とは何か
- 河出書房新社
- 2008(平成20)年3月30日