らんそうこうほい |
濫僧考補遺 |
冒頭文
本誌三月号(九巻三号)に「濫僧考」と題して、社会の落伍者が沙門の姿に隠れて、賤職に従事しつつ世を渡ったことを述べ、それを鎌倉時代にはエタと同視していた次第を明らかにしておいた事であったが、その後さらに二三の資料の存在に気がついたから、いささか前文の不備を補っておく。 濫僧はもちろん沙門である。したがって法師と呼ばれてはいたが、実は三善清行によって「形は沙門に似て心は屠児の如し」と言われた
文字遣い
新字新仮名
初出
「社会史研究 10-1号」1923(大正12)年7月
底本
- 賤民とは何か
- 河出書房新社
- 2008(平成20)年3月30日