チャンプルー
チャンプルー

冒頭文

このごろの泡盛屋では、琉球料理を食べさせるようになったので琉球出身のぼくなどにとっては何よりである。戦前の泡盛屋では、泡盛だけが琉球で、つまみものなどはほかの飯屋と変わらなかったが、いまは簡単な琉球料理があって、琉球的な雰囲気が濃厚である。 こころみに、ある泡盛屋ののれんをくぐると、ミミガーとか、アシティビチとかチャンプルーとかいうのが、眼につくわけである。むろん初めての客には、見当のつ

文字遣い

新字新仮名

初出

「食生活」1956(昭和31)年10月号

底本

  • 山之口貘詩文集
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1999(平成11)年5月10日