あきのきぬぬま |
秋の鬼怒沼 |
冒頭文
日光の紅葉 大正九年十月十日。松本善二君と倶(とも)に、午前五時五分発の列車にて上野駅出発、九時二十七分日光着。馬返まで電車に乗り、午後二時三十分中禅寺湖畔、三時五十分湯元。板屋に泊る。 日光の町から馬返へ行く途中、眉を圧して聳え立つ女貌(にょほう)山や赤薙(あかなぎ)山の姿が、或は開けた谷間の奥に、或は繁った黒木の森の上に、電車の進行に連れて忙しく右手の窓から仰が
文字遣い
新字新仮名
初出
「山岳」1923(大正12)年5月
底本
- 山の憶い出 上
- 平凡社ライブラリー、平凡社
- 1999(平成11)年6月15日