きそこまとかいこま |
木曽駒と甲斐駒 |
冒頭文
木曽駒 矧川(しんせん)志賀先生の『日本風景論』(第三版)を読まれた人は、日本には火山岩の多々なる事という章の終りに、附録として「登山の気風を興作すべし」という一文が添えてあることを記憶されているであろう。其の(七)に中部日本の花崗岩と題して、花崗岩の大塊が富士山火山脈の西に曳き、中部日本に蟠居していることを述べ、「所謂木曾地方悉く花崗岩に成り、其の荘厳雄大なる景象を表出するは実に此岩に
文字遣い
新字新仮名
初出
木曽駒「登山とはいきんぐ」1935(昭和10)年11月、甲斐駒「山と渓谷」1937(昭和12)年1月
底本
- 山の憶い出 上
- 平凡社ライブラリー、平凡社
- 1999(平成11)年6月15日