あかいろうそく
赤い蝋燭

冒頭文

山から里の方へ遊びにいった猿(さる)が一本の赤い蝋燭(ろうそく)を拾いました。赤い蝋燭は沢山(たくさん)あるものではありません。それで猿は赤い蝋燭を花火だと思い込んでしまいました。 猿は拾った赤い蝋燭を大事に山へ持って帰りました。 山では大へんな騒(さわぎ)になりました。何しろ花火などというものは、鹿(しか)にしても猪(しし)にしても兎(うさぎ)にしても、亀(かめ)にしても、鼬

文字遣い

新字新仮名

初出

「幼稚園と家庭 毎日のお話」育英書院、1936(昭和11)年11月15日

底本

  • 新美南吉童話集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年7月16日