かんざんじっとく
寒山拾得

冒頭文

唐(たう)の貞觀(ぢやうくわん)の頃(ころ)だと云(い)ふから、西洋(せいやう)は七世紀(せいき)の初(はじめ)日本(にほん)は年號(ねんがう)と云(い)ふもののやつと出來掛(できか)かつた時(とき)である。閭丘胤(りよきういん)と云(い)ふ官吏(くわんり)がゐたさうである。尤(もつと)もそんな人(ひと)はゐなかつたらしいと云(い)ふ人(ひと)もある。なぜかと云(い)ふと、閭(りよ)は台州(たいし

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「新小説」1916(大正5)年1月

底本

  • 鴎外全集 第十六卷
  • 岩波書店
  • 1973(昭和48)年2月22日