カズイスチカ
カズイスチカ

冒頭文

父が開業をしていたので、花房(はなぶさ)医学士は卒業する少し前から、休課に父の許(もと)へ来ている間は、代診の真似事(まねごと)をしていた。 花房の父の診療所は大千住(おおせんじゅ)にあったが、小金井きみ子という女が「千住の家」というものを書いて、委(くわ)しくこの家の事を叙述しているから、loco(ロコ) citato(チタト) としてここには贅(ぜい)せない。Monet(モネエ) な

文字遣い

新字新仮名

初出

「三田文学」1911(明治44)年2月

底本

  • 山椒大夫・高瀬舟
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1968(昭和43)年5月30日、1985(昭和60)年6月10日41刷改版