こなんのおうぎ
湖南の扇

冒頭文

広東(かんとん)に生れた孫逸仙等(そんいつせんら)を除けば、目ぼしい支那の革命家は、——黄興(こうこう)、蔡鍔(さいがく)、宋教仁(そうきょうじん)等はいずれも湖南(こなん)に生れている。これは勿論(もちろん)曾国藩(そうこくはん)や張之洞(ちょうしどう)の感化にもよったのであろう。しかしその感化を説明する為にはやはり湖南の民自身の負けぬ気の強いことも考えなければならぬ。僕は湖南へ旅行した時、偶然

文字遣い

新字新仮名

初出

「中央公論」1926(大正15)年1、2月

底本

  • 昭和文学全集 第1巻
  • 小学館
  • 1987(昭和62)年5月1日