こうしょく
好色

冒頭文

平中(へいちゆう)といふ色ごのみにて、宮仕人(みやづかへびと)はさらなり、人の女(むすめ)など忍びて見 ぬはなかりけり。 宇治拾遺物語 何(いか)でかこの人に不会(あは)では止まむと思ひ迷ける程に、平中病付(やみつき)にけり。 然(しかうし)て悩(なやみ)ける程に死(しに)にけり。 今昔物語 色を好むといふは、かやうのふるまひなり。 十

文字遣い

新字旧仮名

初出

「改造」1921(大正10)年10月

底本

  • 現代日本文学大系 43 芥川龍之介集
  • 筑摩書房
  • 1968(昭和43)年8月25日